後半同人色が強いです。そのためとりあえずR15とします。
でも期待されるほどじゃないです、すみません。
ついでにパラレルです。お気をつけください。
AすっとばしてBみたいな。Cまでいかないにしても(私の基準が正しければ)
とってもわかりにくい上に、シリアス一色なとっても読みにくい一物(あーあ)
こんなのでもすごい難産でした。
世の中の字書きさんへの尊敬度が100くらいアップ!
(もう日付が変わったので)ついに明日になりましたね!
うわさで聞いたような(バレ)ストーリーにならないことをすごく願います(汗)
『突然だけど、ロックオン。明日からお父さんの会社の社長さんのところで働いてちょうだい』
久しぶりに実家から電話が来たと思ったら、いきなりこう言われてロックオンは驚いた。父親の会社の社長とは、色々な意味で有名な、かのストラトス家であろうか。もちろん会ったことはないが、話なら聞いたことがある。社会に身をおくものなら皆知っていると言っても過言ではないほどの有名人だ。同時にさまざまな噂も聞く。親が勤めていたらなおさらだ。ちなみに母親もその会社に勤めていて、寿退社したらしい。
正直あそこにいくのか、と頬がひきつった。
「なんで!」
『…向こうから、どうしてもとお願いされちゃって』
「……」
こちらの無言の反応に、とりあえず内容を伝えておこうと思ったのだろう。彼女は続けた。
『住み込みで働いてほしいの。今の下宿先は引き払ってね。それに、大学もやめてもらうから』
「はあ!?」
ここまでくるとあまりにも勝手ではないか。自分の人生はまだまだこれからなのだ。そのすべてを他人に決められたらかなわない。
「お願いなら断れるだろ、無理だって伝えてくれ」
『確かにそうは言ったけど…、お金はいくらでも払ってくれるらしいわ』
「お金なんて、今ので十分じゃないか。それともなんかやばいことしたのか?」
『そんなことはないけど…』
言葉の後に一拍置かれて互いに沈黙する。相手は一息ついてから、語調を変えて続けた。
『ロックオン。これはあなたにとってもいい話だと思ってるの。お父さんとずっと話し合ってきたわ。それにあなたももう就職じゃない。そこに決まったのだと思えばいいわ』
「俺にとっていいってどういうことだよ…」
諭すかのような静かな声音。しかし、あくまでも譲れないとの意思は明白で。
困惑しきった口調でロックオンは反論を試みるが、結局母親の強い説得に折れてしまったのだった。
そんなこんなで今ロックオンは豪奢な家屋の中の、客室と思われる部屋にいた。社長宅らしく、門から入るときに見えたのは屋敷を囲む塀。自分の背の倍近くある壁が左右に続き、その端は入り口からでは見えなかった。絵に描いたような豪邸である。手持ち無沙汰に話の内容を思い出す。多少強引だったとはいえ結局は頷いた自分の流れやすさに、我ながら呆れた。しかし、話の相手は親の上司である。断った場合どうなるかなど想像に難くない。今回はまだ「お願い」ですんでいるが、次回からは容赦ない「脅し」が届くことだろう。
結局は来るしかなかったのだ、と再びため息をつく。
家族を盾に取られて、そのまま逃げ続けるわけにもいかない。
――さすが、権力を持つ人たちはやることが違う。
胸中で盛大に皮肉ると同時、軽いノックが部屋に響いた。はい、と返事をする暇も無く音を立てて開くそれに、ノックの意味が無いじゃないかとロックオンは呆れた。礼儀を知ってはいるが、それをするつもりがないという傲慢さ。確かに、自分の立ち場を考えれば仕方の無いことかもしれないけれど。
入ってきたのは五十あたりの女性と男性だった。彼らはロックオンを見つけて小さく微笑むとすたすたと目の前まで歩いてきた。そのまま悠然と目の前の席に腰をおろし、目の前の青年を一目見てお互いに満足げに頷き合う。最初から取り残されてロックオンは困惑した。
「はじめまして、ロックオンさん」
はじめに口を開いたのは男性のほうだった。それなりに頬に肉の付いた、上級階級に位置する者らしい姿である。ただ、威圧感というか、存在感は大きかった。さすがは一流企業を束ねる長である。彼はまず自己紹介をして、その後を妻と紹介されていた女性が続けた。
「ご両親からお聞きになっていると思うのですが、あなたにお願いがあるのです。こちらを見てください」
そう言って、大事そうに懐から取り出した2枚の写真。その一枚目を見せられてロックオンは驚いた。そこに写っているのは自分自身だったのである。なぜそれを彼らが持っているのだろうか。
「これは、ロックオン・ストラトス。私達の間に生まれた長男です」
「ストラトス…? あなた達の息子ってどういうことですか。冗談を言わないでください!確かにこの写真は俺みたいですが、俺はあなたたちの息子ではありません」
「ええ、確かにあなたロックオン・ストラトスではありません。ですが、写真の中の彼は正真正銘のロックオン・ストラトスなのです」
わけがわからない!
言葉遊びのような彼女の言にロックオンは混乱した。
「つまり、写真の彼は俺ではない…、と?」
「これをご覧になってください」
ロックオンの質問には答えず、もう一枚の写真を差し出した。それを見たときの衝撃は言葉では言い表すことはできないくらいのものだった。
「これが証明、と言ってもいいでしょうね」
その写真に写っていたのは、目の前の二人と、そして見間違えるはずもない自分自身。いや、彼はロックオン・ストラトスであったか。年齢は今の自分よりも少し下に見える、が、その年に彼らと共に写真をとったことなどない。それどころか、会うのは今日が初めてだ。合成写真ではないかと疑ったが、それにしては違和感が無さすぎる。
「実はビデオなどもたくさん残っているんです。疑うのであれば後で見ていただいてもかまいません」
ここまではお分かりいただけましたでしょうか?
と、ひどく丁寧な言葉遣いで女性は小首をかしげた。今のところは納得するしかないのだろう。彼らが言いたいのはそんなことではないだろうし、そうしなければ話は進まないと思ったのだ。ロックオンは不承不承頷いた。
それを見て、再び満足げに笑って続けたのは男性のほうだった。
「ここまで見てきて多少は想像付いたと思うのですが、あなたにお願いしたいのは彼に成り代わってほしい、ということです」
うすうす話の概要が見えてきていたロックオンは、やっぱり、とうなだれた。
客室での話の数時間後、ロックオンはおそらくロックオン・ストラトスの自室と思われる部屋に通されていた。真ん中にダブル以上の大きさのありそうな白いシーツの映えるベット、床一面に敷き詰められた絨毯、天井には複数の豪勢な光源、そしてテレビやパソコンのセットが一通りと大きなクローゼット。調度品に見られる模様はすべて精巧で、触るのも躊躇われるほどのものであり、とりあえず彼はものすごく柔らかなベットに腰を落ち着けた。唯一の安心は、クローゼットの中にしまわれていた服装が彼の好みとあっていたことだろう。
あのまま客室で詳しい説明等を受け――かなり時間がかかったが、それでもロックオン・ストラトスの性格や日常、そして家族構成といったごくごく基本的なものだけだったと思う――、彼らと一緒に夕食をとった。あのときの気まずさは、思い出したくもないほどだった。なんやかんやと彼らは話しかけてくれたが、やはりどうしても楽しめるものではない。
最後に彼らはロックオンをこの部屋まで案内し、お互いに敬語をやめようと提案して去っていった。
「…これから家族となるのだから、だって? は、笑わせるぜ」
そんなことが無理であるかなんて、一番よくわかっているのは彼らだろうに。笑顔が見えていたとはいえ彼らにはぎこちなさが目立った。いや、そうさせたのは自分の態度かもしれないとも思ったが。
まさか「お願い」がこのようなものだとは考えてもみなかった。彼らは当のロックオン・ストラトスが現在どうなっているかといったことは全く口にしなかったが、普段の生活ができないような状態であることは確かだ。そのための影武者なのだろう。
いや、もっと状況が悪ければ彼が亡くなっていて、その代わりを求められているのかもしれない。だから、母親は「あなたにとってもいい話」であると言ったのだろうか。ロックオン・ストラトスと成り代わって、ストラトス一家の財産を引き継ぐということが?
だが、それにしても疑問点は多すぎる。
「俺達は、…俺は、一体何なんだ…」
姿も形も全く同じ存在。そんな存在に一生に3回会うと聞いたことがあるが、まさか本当だとは思わなかった。これは偶然なのか。それとも、必然か。
ひじを足の上に置いて、両手で顔を覆う。言葉にならないうめき声が漏れたとき。
「兄さん」
突如響いた静かな声音に、ロックオンははっと顔を上げた。目を向けた先には十代後半くらいの少年が居た。彼は、確かロックオン・ストラトスの弟である刹那、といったか。ロックオン・ストラトスの隣に立っている写真を見せてもらったし、話も聞いていた。聞いた話では寡黙らしいが。
いつからいたのか。先ほどの言葉は聴かれたらまずいだろうと、少し慌てる。
「…刹那?」
「どうしたんだ。表情が暗い」
やはり刹那で正しかったようだ。それに聞かれていたわけでもなかったようである。ほっとしてロックオンは笑った。
「いや、ちょっと疲れただけだよ。それより、どうしたんだよ」
「兄さんが退院してきたと聞いて」
「心配しててくれたのか」
兄思いのいい子じゃないか、と刹那に好印象を覚えた。自分がその心配している本当の兄でないという後ろめたさを感じると同時、ばれてないことに内心ため息をついていた。ばれたらばれたで面倒だが、だからといってだまし続けるのも気が重い。
特に彼に対しては。
純粋な家族に対する好意を感じて、笑みが苦笑に変わる。
正直複雑だ。
「もう大丈夫なのか」
「あぁ、もう完璧だぜ。ありがとな、刹那」
彼は話しながらベットに近づいてきていて、いつの間にか、こんないい子を騙すなんて!と自己嫌悪に陥っているロックオンのすぐ目の前にまできていた。そうなると必然的に、ベットに腰を下ろすロックオンは彼を見上げることとなる。
あれ? とロックオンは疑問に感じた。いつの間にか目の前すぐのところに彼の澄んだ茶の濃い瞳がある。
え、なんかちょっと近すぎじゃないか。
「そうか」
彼が小さく口の端を上げたように感じた。感じただけになってしまったのは、あまりにも近いところに彼の端正な顔があったために見えなかったからだ。ぼやけるほどの近くに彼の目がある…!
「…ッ!!」
笑い返す暇もなかった。己の唇にとてもやわらかいものがかぶさり、その暖かさに混乱がほんの一瞬だけ静まる。が、そのまま落ち着いていられるわけでもなかった。彼の左手が自分の後頭部にまわり、そして同時に右手で強く顎をつかまれる。痛みに眉をよせた時、加えられた力はそのままに顎が下に引かれて抵抗することもできずに口が開かされる。
「…あ、っは…」
瞬間、開いた隙間から彼の舌が入ってきて、ねっとりとロックオンのものをなめた。情けないことにこわばった肩がびくんと跳ね上がり、ベットにきれいにセッティングされていたシーツを強くつかむ。頭をとらえられていたため、後ろに逃げることもできず、逆に反射的に逃れるように舌を引く。が、こちらの当惑などなんのその、刹那はそのまま追ってきてからめ取り、それをいく度か繰り返す。
部屋に響くのはいやらしい水音と、必死に酸素を取り込むロックオンの息継ぎのみだ。
この時になってやっと、抵抗という二文字がロックオンの頭によぎった。シーツをつかんでいた手を刹那の肩に置いて離れるようにうながすもびくともしない。頭は混乱を極めていてうまく息ができず、だんだん苦しくなってきて、次に彼の肩を叩いた。が、まったく相手にされない。
――殺される!
こうなると半狂乱だった。四肢をばたつかせて抵抗する。が、それもロックオンの体の上に乗り上げてきてい刹那の足に自身を刺激されてあっけなく止まった。ついでに新たに感じ始めた快感と酸欠状態に意識は朦朧としはじめる。
「……っは、あ、ふぅ…んッ!」
視界が潤み、涙が頬を伝う。同じように飲み込みきれなかったどちらのとも知れぬ唾液もあごを伝う。いつの間にか閉じていたまぶたを少しだけ上げると同じように潤んだ瞳がロックオンを見据えていた。そこに写る漢の色気にかっと血が上り、飛ばしかけていた理性がふっと戻ってきた。が、この状況で理性が戻るのは最もよくないことだと気づいたときには遅かった。目の奥に理性が戻ったと感じたらしい刹那がもともと濃厚だった口付けをますます激しくしたのだ。結局、それは一瞬で、再び混沌が復活する。
自分の放つ音を、嫌だと感じる暇も無い。
「あ…、うぅん」
「ロックオン」
肩を抑える、というより肩にしがみついていたロックオンの手がぱたりとベットに落ちたのを見て刹那はやっと唇を離した。むさぼりつくして満足した、というよりもうこれ以上はロックオンが持たないと判断してのことだった。鼻と鼻の間三センチといったところで顔を止めて、刹那は今度こそ明らかに口を笑みの形に変えた。薄く目を開けたロックオンは、それを見てぎくりと体をすくませる。
「お…まえ、…!」
「久しぶりだな」
久しぶり、と聞いてロックオンはいまだに潤む目を揺らした。正直、体に入らないため上半身を支えることになる首が痛い。それに肺が酸素を取り込むことができて歓喜していた。肩は激しく上下し、心臓は大きく脈打っているし、身体中は熱を溜め込んで熱くて仕方が無い。もともと肌が白いため、上気した顔が真っ赤になっているのはたやすく想像できた。そのような姿を見られているということが恥ずかしくて仕方ない。
何より、混乱の只中でも身体はちゃんと快感を感じていたらしく、反応してしまった自身に悲しくなる。
――久しぶりって、どういうことだよおい。
困惑する頭の中。今日は駄目なのか、と小さくつぶやく声がする。ただし、ロックオンには理解できなかったが。
ただわかったのは、ロックオン・ストラトスが彼のこの行為を受け入れていたことと、彼のキスは巧みだということ。
そして、とんでもないところに来てしまったということ。
どうやら、ご両親の知らないところでこの兄弟はかなり親しかったらしい。
「かなり危険な状態だったと聞いていたから、すごく不安だった。戻ってきてくれて嬉しい」
そんなことを無表情で言ってのけた彼に、ロックオンは苦笑して返すことしかできなかった。というか、なんとか笑みの形にできたことをほめてほしいくらいだ。あまりにも速すぎる展開に、彼がいなければ頭をかかえていたことだろう。――体が動けば、だが。
彼の言葉には純粋な好意しか存在しなかったというのに。それだけこの出来事にはショックを受けたということだろう。同時にその好意に純粋に好印象を抱いていた自分を殴りたかった。だからといって、彼を嫌うとまではいかなかったけれど。
その後刹那は何事もなかったように立ち上がると、就寝の挨拶をして去っていった。あまりにもあっけなくて、必死に支えていた身体から力が抜ける。挨拶を返す気力もなかった。
――父さん。
軽い音を立ててベットに崩れ落ちて、少し皺は寄ってしまったが真っ白なシーツに濡れた頬を押し付ける。
その冷たさに、癒された。
――母さん、一体俺をどんなところに放り込んでくれたんだ!
思うのは、この原因を作り上げてくれた母親に対する、八つ当たりとあきらめの混じった憤りであった。
******************************
このあと、ロックオンは一人で処理します(刹那が中途半端にほっぽったので)
で、いきなりだからティッシュが無いので朝、隠れて必死にシーツを洗います(下品!)
メインテーマはキスとオンオフですね。
わかりにくいですが、オンがロックオン、オフがロックオン・ストラトスで(微妙に)書き分けてます。
続くかどうかは不明ですが、無駄に設定だけはたくさんあります。
愛情過多な家族構成ですね!
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