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七色錦
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何度も何度も何度も23話を見返しているんですけど、やっと落ち着いて見れるようになってきました。
しかし、再び衝撃。

なんで、エンディングロールでロックオンの名前が主人公枠からはずれてるのー!?
どういうこと、って泣きそうになりました。
信じてるからね…。

23話後捏造はずっと何でもいいから書きたかったんですけど、あのあとどう続けばいいのかわからなくて手が動きませんでした。あの終わり方の後に、どう妄想しろと…。というより、自分の想像力のなさにため息が出ます。とりあえず、24話が始まるまでに何かアップしたかったので。
単調にシリアスです。

あ、遅くなりましたがカウント1000ヒットありがとうございます。
こんな更新も遅く内容もまばらなサイトによくこんなに来てくださいました(汗)
あと、そろそろリンクもばらばら貼りたい。チキンなので貼ることすら恐れ多いんですけど。

おそらくここで死ぬのだろうという諦めがあった。
それは確信に近く、白い光の中でただ想う。

悪い、刹那。還れそうにないよ。
お前の掌の中で眠りたかったけど、それすらもできそうにない。

光の後の衝撃を予測して身構えていたが、ふと気付くと、真っ白な廊下に立っていた。一目見ただけでどこなのかわかる、住み慣れた懐かしい地。
――ここは…。
二つ目のホーム。CBのパイロット育成施設だ。
現在は跡形も無く壊されて、土地は一般人に安く売り渡されたと聞いていたが、見間違えるはずも無い。数年間ここを往復してきたのだ。左手にある扉の向こうには射撃場があるはずだし、右斜め先にある扉の向こうにはシュミレーション室があるはずだ。射撃場へ続く扉の取っ手のすぐ下には傷がついていて、それは自分がつけたものである。この施設に来たばかりで、右も左もわからなかったときに、自分が磨かなければならない技術を鍛える部屋にはそれぞれマークをつけたのだ。それが今、目の前にある。懐かしくなってロックオンはそっとその傷をなでた。
この中でそれこそ一日中訓練に明け暮れたときもあった。磨くべき技術は他にもたくさんあったが、最も成績のよかった射撃を重点的に鍛えた。その後、射撃特化型ガンダム・デュナメスのパイロットに選ばれたのだ。
扉を開けて中をのぞきたかったが、不思議と手は自分の意思に従って動いてくれなかった。ただ傷をなでるのみだ。
ふと、声がした気がして振り返る。
その瞬間、場面が一転した。

今では懐かしい施設内の廊下からはうって変わって、ここはプトレマイオスのこちらも見慣れた廊下だった。
「刹那・F・セイエイだ。エクシアのパイロットとして選ばれた」
目の前には刹那。現在の刹那より少し背は低く、輪郭も少々幼げだ。
――刹那…。
「はじめまして、俺はロックオン・ストラトス。デュナメスのパイロットだ」
よどみなく自らの口から綴られる言葉に少し驚く。ここまできて、自分が過去をなぞっているのだと気付いた。何故だか知らないが、自分は過去にいる。なぜだろう、とは考えなかった。
おそらく、先ほどの場面は、施設を出て初めてプトレマイオスに移るとき。名残惜しくも一つ一つの部屋を回ってゆき、最後にたどり着いたのはあの扉の前だった。そうして気合を入れなおしていったのだ。ただ、結局射撃場には入らなかった。入る必要も無かった。ただ、触れているだけで安心した。自信がついた。それは、努力から生み出された何か言葉には表せられない絶対的なものだった。
そしてこの場面は、プトレマイオスに来て始めての他のマイスターとの接触のときだろう。マイスターとしてプトレマイオス入りしたのは自分が最後だったようで、すでに刹那だけでなく、アレルヤやティエリアもパイロットとして訓練を重ねているところだった。
そう、初めての対面だというのに、刹那はにこりともせずに自分の名を口にしたのだ。
よろしく、もなく。
――変わらないなぁ。
このころ、刹那に対してどういう印象を抱いていたかははっきりとは思い出せない。それを不安には思わない。疑問にも思わない。現在の自分が刹那を愛していて、彼も愛してくれていると信じているからこそ。気恥ずかしい言葉だが。
自分の意思とは関係なく口が動く。
「俺は食堂に行くつもりなんだ。刹那は?」
「…俺もだ」
そう、言葉少なに答えられる。その言葉に自分は笑ったらしい。
「じゃあ、よかった。実は最初にミス・スメラギだっけか?彼女に案内してもらったんだが、忘れてしまって困ってたんだ。よければ案内してくれないか」
だんだん視界がかすんでくる。
もう時間、なのかもしれない。
音も聞こえない。まだ彼を見ていたいのに、色が薄れていく。
最後に彼がなんと言ったかを必死に思い出そうとした。

 

再び視界が切り替わってロックオンは眩暈を感じた。肢体は重く、額は痛む。
今までの世界とは全く打って変わって暗い闇の世界。そんな世界をふわふわと漂っている。
これは、――現実だ。
納得したら力が抜けた。
アリー・アル・サーシェスはどうなったのだろうか。
ハロはちゃんとプトレマイオスに帰還できたのだろうか。
刹那…、は。
ヘルメット内に供給されている酸素が薄くなってきている気がする。パイロットスーツも衝撃で破れていたし、少しずつ漏れてしまっているのかもしれない。やることをやりきったわけではないが、やらなければやらないことは少なくとも一つ終えられた気がした。あとは、安心して眼を閉じればいい。
ただ、一つだけ、わがままを言わせてもらえば、最後に一言刹那に言いたかった。何を、というわけではないが、ただ伝えたかった。何かを。
落ち着いて鼓動を刻む心臓の音が大きい。
確かな脈動。そう、今このときに自分は生きていて、小さなことであれ大きなことであれ、世界を動かした。
これで変わってくれるだろうか。マイスター達、刹那が引き継いで変えてくれるだろうか、この世界を。
――あぁ、逆になっちまったな。
初めて味方に銃口を向けた日。あの日、刹那は自分に、代わりに世界を変えてくれればいいと言った。ならばここで死んでもかまわないと。こんな気分だったのだろうか、彼も。
これが、仲間、か、と眼を閉じたとき。
「……ロック…ン…」
ノイズが混じって聞き取りにくかったが、確かに声が聞こえた。
どくんと大きく心臓が鳴る。
――刹那…。
想っていた相手の声だった。メット間の通信はかなり近づかないとできないのに、と疑問に思う暇も無く誰かに強く抱きすくめられる。間違えられるはずもない。刹那だ。
ざざざ、とせわしない雑音が自身に生を感じさせている気がした。眼を開けると真正面に刹那の眼があって、嬉しく思う。
これも夢なのかもしれない。もしかしたら、現実と思い込んでいる夢なのかも、と。
それを否定するかのように彼が抱きしめる手を強くし、離れまいとするようにヘルメット同士も軽く接触させる。近づける限界点まで彼は身体を近づけてきた。ためらいもなく、いとしげに。それに答えたくてロックオンも痛む身体をゆっくりと動かした。刹那の身体に腕を回して微笑む。還ってこれた、彼の腕の中に。
対する刹那の表情はひどく苦しげで、嬉しげで、悲しげで。
「…生き…い…よか…た…」
途切れ途切れに聞こえる彼の声にほっとして、いつの間にか目の前に水滴が浮いていて驚いた。泣いている。
誰が?刹那が?
いや、自分だ。無意識に流された涙に刹那が目を細める。
よかった、これで言える。
伝えたかったことが伝えられる。
これから何度でも。愛していると。
「…刹那」
ん?と刹那が問うように目を向けてきた。
「刹那」
「あぁ」
今度は同意の声。
「プトレマイオスまでの帰り方がわからないんだ。連れて行ってくれないか」
おそらく刹那にもこのノイズは聞こえていることだろう。聞き取りづらいはずなのに、彼はためらいもなく頷いた。
もちろんだ、と。

思い出した。あの時も彼は同じように頷いてくれたのだ。


********************************
感想のときに書いたことの訂正ですけど、あの刹那が持ってた銃っぽいものは、狙い打つときに使ったやつだったんですね。
あの後ちゃんと刹那がロックオンを拾っていってくれることを願います。
予告からして絶対違うけどねー。だから、捏造(笑えない)

お願いだから生きていて!生きていないと妄想が働かないよ(パラレルしか)

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since 2008.March.2        だぶるおー二次創作テキストサイトです。原作者、制作会社とはまったく関係ありません。ロックオン兄貴を右側に製作中。たぶん時々ずれてます。今のところ×より+傾向。幸せにしてやりたいと同時に、虐めてやりたい。兄貴至上主義。いないと思いますが無断転載はやめてくださいね。ほのかにR15になりました。
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高月 沙夜
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自己紹介:
00の某CB所属兄貴が大好きすぎて困ってるひっきーです。
都から離れすぎてるのでイベント系に行ったことがない、いろいろ中途半端な人でもあります。つ、通販しかないか…(無念)とても熱しやすいので新しいものにはまらないかと常に不安。ずっと兄貴のことを考えていたい。最高にあ・い・し・て・る!(キモい)
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